昨年トヨタが終身雇用を守れないと発言した頃から(というか表面化してなかっただけで昔から)
個の時代とも呼ばれ自分の市場価値を上げるために言われたことをするのはやめようという考えが少しは増えたのかなと思います。
勿論私はあまりできてません。そのためにこのブログ書いてたりするのですが、自分ならではの考えを手に入れるにはどうすればいいのかなと思い本書を読んでみました。私なりに内容まとめてみたので紹介します。
考えるとは
知識と思考ははっきりと区別することから始まります。
本書での例を引用すると1970年と2010年におけるプロ野球ファンの年齢構成を表すグラフで説明しています。ちなみに著者のちきりんさんが考えた架空のデータだそうです。
グラフ1970年の調査では20代と30代の割合が多く、2010年の調査では40代以降の割合が多くなっています。
これを知人のAさんにグラフを見て考えたことを書いてもらいました。
プロ野球ファンの高齢化が進んでいる。このままではプロ野球界の未来は暗い。若いファンを増やす努力が必要だ。といった意見が出たのですが、ちきりんさんからするとこれは自分の頭で考えたことだとは思わず、むしろグラフを見る前から知っていたというのです。
確かに私もグラフを見る前から野球人気が落ちているという認識がありました。
留学生のBさんにも聞いてみたところ20,30代と40代以上ではどちらが裕福かという質問、次に余暇に使える時間は同じか、それとも年代によって違うのかという質問が出ました。前者は40代以上の方が裕福、後者は60歳以上の定年後の人たちの方が余暇時間は長いと返答をすると
昔に比べてお金持ちのファンが増えて、余暇時間の長い高齢者のファンが増えているのでプロ野球界の未来は明るいという意見が出たそうです。
このようにせっかく新しい情報を得たのに知識を引っ張ってきてしまい、思考と勘違いしてしまうことは私もよくあります。
本当に大事なのは知識は一旦置いておいて、いいところと悪いところを考え比較する、
比較した上で自分の意見を言えるようになることです。
意思決定のプロセスをもつ
何かしてはいるけどいつまでも決まらないと言った経験はありませんか?
本書での例を引用すると
とある会社で新規事業に乗り出すか検討するため毎週会議を行なっていました。
会議終了後に次回までに必要な調査内容をまとめ作業。
こういう会議が毎週続いていたのですが、何も決まらないまま時は過ぎ
競合会社が新規事業に乗り出す。と言った内容でした。
これを読んだ時、私の場合は不明点があれば自分で調べすぎてしまう、ということに当てはまると考えました。
調べすぎた結果、時間がかかり残業になる事が多い(生産性が悪い)のです。
調べる前にx時間調べる、それでもわからなければ上司に相談する。などプロセスを持つようにします。
判断基準はシンプルに縦と横で考える。
何かを選ぶ時、選択肢が多くて決めれないということありますよね。
実際は選択肢が多いから決めれないのではなく、判断基準が多いから決めれないのです。
例えば、レストランを選ぶ時に味がいい、雰囲気もいい、価格も安く家にも楽に帰れる立地で予約も取りやすい、、と言っているとどこも一長一短になってしまいます。
本書では婚活女子に例えて重要すべき判断基準を2つまでに絞り込んでいます。経済力と相性です。
判断基準は自分で考えることが重要です。この判断基準(フィルター)を使って情報をふるいにかけることができれば自分だけの武器が何か分かります。
日本の家電メーカーは長らく機能と価格の2軸で考えていました。
ところが今では欧州ブランドからデザインというフィルターを持ち込んで消費者に選ばれています。
このように新たなフィルターを提示することをゲームのルールを変えるといい、日本企業な得意でないイメージがあります。本書は2011年発売の書籍なのですが2020年現在、私が子供の頃からは想像ができないくらい日本企業は衰退しています。スマホの普及時に判断が遅れたこと、機能と価格の2軸で戦ったことがこの状態を招いたと考えています。
従来のルールで戦うのは果てしない消耗戦になります。自分が得意な分野で勝負ができるようにゲームのルールを変える工夫をして、努力が正当に報われる世界に持ち込めるようになりましょう。
知識は思考の棚に整理する
知識と思考は区別することが重要と紹介しましたが、知識が役に立たないわけではありません。
知識を思考の棚に整理してみて下さい。どういうことか本書での例を紹介します。
著者のちきりんさんは9・11テロが起こったときにNHK,BBC,CNNのニュースを切り替えながら報道を見ていたそうです。
その時にNHKは日本国民の安否情報、BBCは背景分析を、CNNでは現地での混乱した様子を報道していました。
その時にこれは各局のスタイルなのか、それとも現場と各局の距離が関係しているのか、ということを考え縦にNHK,BBC,CNNを、横に事件の発生した場所の枠、NY、ロンドン、日本の3×3の思考の棚を作成したそうです。
マス目の埋まっていない項目、ロンドンもしくは東京で大きな事件が起こった時に各局がどういった報道をするか、が今後欲しい情報となります。
こう言った表を持っていると情報感度を高めることができます。何気ないものを見た時に「あっ、なるほど!」と瞬時に何かを思いつく人はこう言った思考の棚が存在しているそうです。
この時にこの棚の今後欲しい情報が手に入った時何が言えるか、結論は何かを事前に考えておいて下さい。
それにより情報を手に入れる価値も判断できるので、必要な情報かどうかが判断できます。
考える力を身につけるために
今までに紹介した方法を活用して考える時間を増やしましょう。
1 日のうち、何時間を考えることに使ったかを意識するだけでも考える力は大幅に伸びます。
もし1日30分しか考えていなかったら明日は30分より多く考えるようにしましょう。
最後に
リーマンなら(?)聞いたことがある話もあるので面白いと思います。
例えば縦と横で考えるで紹介した2×2のマトリクスでの判断基準は7つの習慣の時間管理術を思い浮かべた人も多いと思います。(タスクを重要度の高低と緊急度の高低のマトリクス表に当てはめるやつですね。)
他にもロジックツリーの考えも出てきて分かりやすく説明しているので是非読んでみて下さい。